私の自宅は、横浜でも都心から少し離れたところにある。住宅地だが、周りに山や畑がある。このため、ご近所の方から野菜や山菜を頂くことがある。
今朝はタケノコを頂いた。タケノコご飯にするか、甘辛く炒めるか、はたまた先日作った肉まんの餡に入れるか、どうやって食べようか悩んでしまう。
タケノコは美味しいのだが、下茹でが大変だ。タケノコにはアクが有るので、アク抜きをする必要がある。昔からの方法だと、アク抜きには米ぬかと鷹の爪を使う。近くに精米店があるので、以前はよくここで米ぬかを貰っていた。今は朝早いので、まだ店は営業していないだろう。米ぬかの代わりに米を使ってもいいのだが、アク抜きだけのために米を使うのも少しもったいない気がする。
良い方法はないかとネットで調べたら、どうやら重曹でも良いらしい。そういえば重曹には、食用と掃除用がある。何が違うのだろう。調べると、食用の重曹は、キメが細かく、不純物が少なく、製造工程の衛生管理がきちんとされているらしい。これに対し掃除用の重曹は、キメが荒く、添加物が入っていることがあり、製造工程の安全性が低い。なるほど納得。掃除用を使うのはやめておこう。
ではなぜ米ぬかや重曹でアクが抜け、えぐみが無くなるのだろう。タケノコのアクであるえぐみの正体は、シュウ酸という成分らしい。米ぬかや重曹に含まれるカルシウム成分がシュウ酸に作用し、えぐみを感じない成分に変えるそうだ。
さらに調べると、米ぬかに含まれる脂肪分やアミノ酸がタケノコの繊維を柔らかくし、旨味を引き出すという作用もあるらしい。また、米ぬかのでんぷん質がタケノコのアクを吸い取ったり、お米の旨味が加わってタケノコの旨味が増すという効果も期待できるらしい。そうすると重曹よりも米ぬかを使った方が、タケノコが美味しくなりそうだ。たぶん。
タケノコの下茹での際には、鷹の爪も入れる。せっかく米ぬかや重曹について調べたので、鷹の爪を入れる理由についても調べてみた。すると、タケノコはとても傷みやすいので、防腐作用や殺菌作用のある鷹の爪を一緒に茹でることで、長持ちさせることができるらしい。そういえば、四川料理発祥の地である四川省は、川が多く盆地になっており、高温多湿なので食べ物が傷みやすいから、トウガラシ(鷹の爪)を使った料理が発展したのかもしれない。いろいろ調べると面白い。
タケノコの下茹でに米ぬかと鷹の爪を入れるという方法はおそらく、先人が試行錯誤を繰り返し、経験的に見つけたものだろう。先人の知恵おそるべし。
タケノコのアクであるシュウ酸は、収穫後タケノコの中でどんどん増える。だから収穫したら、できるだけ早く食べるのが良い。収穫直後のタケノコにはシュウ酸が少ないので、アク抜きをせずに食べることができると聞いたことがある。
機会があればぜひ、収穫直後のタケノコを食べてみたい。